銘々皿

下田脂松細工について

下田脂松細工(しもだやにまつざいく)のルーツは、江戸時代末期にさかのぼります。
黒松のヤニの多い部分を使用して作る木工芸品で、木目や色合いの美しさが特徴です。
引出などの指物のほか、右写真の銘々皿のように、日常に華をそえる上品な逸品に仕上がります。
昭和55年、静岡県郷土工芸品に指定されました。
■リンク  静岡県の伝統工芸品紹介ホームページ
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-560/chiikisangyo.html
指物(さしもの)とは  
釘を使わず木の板をさし合わせ組み立てて作る木工品。
硯箱

Abut Shimoda Yanimatsu Zaiku

The origin fo Shimoda Yanimatsu Zaiku goes back to the end of Edo era.
This is a craftwork used a part which has much resin of black pine and its caracteristics are beautiful grain and color shade.
It is elegant works like Meimeizara on the right side besides Sashimono e.g. dresser which added gorgeousness to daily living.
This craftwork was designated as Shizuoka prefectural folk craftwork in 1979 by Shizuoka prefecture.

Sashimono(cabinetwork) means craftworks assembledwithout nails.
■link page  Shimoda Tourist Association  
http://www.shimoda-city.info/index_e.html
嶋崎さん

「下田脂松細工」の匠 嶋崎繁明氏を訪ねて

嶋崎氏「黒松は、山の肥えた土で育ったものより海岸近くで育ったものがいい。その方が面白い木目が生まれます。黒松の難しさは逆目が強いこと。突然目の方向が変わっていたり、夏と冬では育つ目のかたさも違う。それでもやはり、松は木目がきれいなんですよ。」
嶋崎氏「見る角度によって色や模様が違うのがわかりますか。」
 銘々皿の色や模様が、角度によって変化して見えました。ある角度では黄金色、またある角度では茜色、というように。

嶋崎氏「これは木じゃないとお客さんに言われました。木でこうした木目や薄さ、色合いが出ると思っていなかったのかな。」
「なかなか思うようなものはできないですよ。5つ作って1ついいものができるかな。」

 伊豆地域では、下田脂松細工と熱海楠細工が静岡県郷土工芸品に指定されています。
 黒松の中でもわずかしかとれない貴重な木目や色合い、それを最大限に引き立たせるのが、下田脂松細工の魅力です。それは、匠の熟練の技と確かなまなざしによって、一層味わいを増しています。
削り
嶋崎 繁明 氏
下田脂松細工の指物師・嶋崎家の三代目。
静岡県優秀技能者表彰受賞者。
作業工程(例 銘々皿)
1 乾燥
2 木取り
3 乾燥
4 削り
5 荒削り
6 底仕上げ
7 縁の型取り
8 磨き
9 外仕上げ
10 磨き
11 塗り
完成
いため まさめ
主な作品 
■銘々皿めいめいざら(茶道で菓子の取り分け用に使う皿)
■四方盆しほうぼん(茶道で菓子を盛っている皿)
■茶杓ちゃしゃく(茶道で抹茶をすくうさじ)
■棗なつめ(茶道で抹茶を入れる入物)
■茶托ちゃたく(湯のみ茶碗の下に敷く皿)
■小乱こみだれ(小物入れ)
■花台はなだい   ■小引出こひきだし   ■鏡台きょうだい 
■文箱ふみばこ   ■楊枝箱ようじばこ   ■盆ぼん 
■箸箱はしばこ   ■筆立てふでたて  ■硯箱すずりばこ   
■ペン皿      ■タイピン        ■ブローチ
■ペンダント
銘々皿 四隅
    作品は、嶋崎さんの工房兼展示場でご覧になれます。
      
  連絡先 
   下田脂松細工 しまざき
   〒415-0038 静岡県下田市大賀茂1057-2
   電話0558-22-6689  
   ※堀切バス停から看板を目印に左手へ、徒歩3分