共通市章

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25.伝説「餅を食べないお正月」

餅を食べないお正月
 下田から天城街道を北へ凡そ四キロメートル、蓮台寺温泉の入口のところから稲生川が大曲りして囲んでいる立野(中の瀬ともいう)という部落がある。
ここの氏神様は、「子供の神様」をお祀りしてあるが、ここでは正月三ケ日、お雑煮……いや、お雑煮ばかりでなく餅というものを一切食べない。
 むかし氏神様が元日の朝お雑煮を召し上りながら、その餅がのどにつかえて亡くなられたというので、それ以来ここの部落の人達は、お正月の餅を食べない事になった。
若しこの禁を破ると必ず「火ごと」にたたると言われている。
いつかここの駐在所に転勤して釆た子安巡査は始めてのお正月に「そんな馬鹿なことがあるものか。
それに自分は他所から来たものだからかまわない」といって近所の人や家の者のとめるのもきかずお雑煮を食べた。2,3日して奥様が箪笥を開けてみると、中にしまってあった巡査の着物だけがあちらこちら焼けこげて着られないようになっていた。そのため「氏神様のたたりだ。
禁を破った罰だ」とうわさされた。その外にも「そんな馬鹿な事はない。」と強がりを言って餅をたべた者もあったが、その人のものに限って火のたたりがあったという話が残っている。
今でも立野の部落に住む人達はこのきまりを守っている。
下田市の民話と伝説 第1集より
 更新日:2007/04/01
 
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