共通市章

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06.伝説「田圃の中の大鳥居」

 今は西本郷と呼んで道路添いには商店が立ち並んでいるが、昔は原田田圃と呼んでこのあたりは一面の田圃であった。土浜と門脇との中間あたりの道路傍に、ぽつんと大きな石の鳥居が立っているが、どこを見ても神社も見えないので、伊豆の七不思議の一つと云われる程の謎の鳥居である。
 昔、本郷富士山頂の浅間神社へ、或る名高い僧侶がお経を誦じ上げた時、そのお坊さん、どうしたわけか、そのお経文を読み違えてしまった。すると富士の権現様は大そうお怒りになり、たちまち大邪鬼に化身せられて、そのお坊さんをひっつかんで山の頂上から原田田圃へドシーンとほうり投げられた。坊さんは前後不覚に落ち入った。
 やがて夢の中に波布大明神様が現れ給うて、「坊さんよ、お前が尊い御経文を読み損なったのは神様にも仏様にも本当に申訳ないことだ。今となっては仕方がないから、此の所へ鳥居を建ててお祭りをしますと誓を立て、御詫びしたらよろしかろうぞ。」と教えられた。やがて目が覚めた坊さんは、波布大明神様に御礼を申し上げ、続いて教えられた通り富士権現様には「鳥居を建ててお祭りいたします。」と御約束をして、詑言を厚く念じた。浅間様の御許しあってか、彷さんには少しの怪我もなかった。
 神様への約束念願通り、坊さんは石の鳥居を田圃の真ん中へ建て、ねんごろに祭り供養を営んだと云うことである。
下田市の民話と伝説 第2集より
 更新日:2007/04/01
 
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